1. Pythonの基本文法
1.1 変数とデータ型
- 変数: データを保存するための名前付きの場所です。
x = 5 # 整数
name = "太郎" # 文字列
1.2 基本的なデータ型
1. 整数 (int)
- 説明: 整数は、負の数、ゼロ、正の数を表します。
a = 10
b = -5
c = 0
- 演算例
sum = a + b # 5
product = a * 2 # 20
2. 浮動小数点数 (float)
- 説明: 浮動小数点数は、小数を含む数値を表します。精度に限界があるため、特に非常に大きな数や非常に小さな数を扱う際には注意が必要です。
x = 3.14
y = -0.001
z = 2.0
- 演算例
area = x * 2 # 6.28
3. 文字列 (str)
- 説明: 文字列は、テキストデータを表すデータ型です。シングルクォート (
'
) またはダブルクォート ("
) で囲むことができます。
name = "太郎"
greeting = 'こんにちは'
- 文字列操作:
- 連結
full_greeting = greeting + "、" + name + "さん!" # "こんにちは、太郎さん!"
- 長さの取得
length = len(full_greeting) # 12
4. ブール値 (bool)
- 説明: ブール値は、真 (
True
) または偽 (False
) の2つの値のみを持つデータ型です。条件分岐や論理演算に使用されます。
is_active = True
has_permission = False
- 論理演算
result = is_active and has_permission # False
5. リスト (list)
- 説明: リストは、複数の値を保持できる可変のデータ型です。異なるデータ型の要素を含むこともできます。
fruits = ["リンゴ", "バナナ", "オレンジ"]
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
- リスト操作:
- 要素の追加
fruits.append("グレープ") # ["リンゴ", "バナナ", "オレンジ", "グレープ"]
- 要素の取得
first_fruit = fruits[1] # "バナナ"
6. タプル (tuple)
- 説明: タプルは、リストに似ていますが、変更できない(イミュータブル)データ型です。データの固定が必要な場合に使用します。
point = (10, 20)
colors = ("赤", "青", "緑")
- タプル操作:
- 要素の取得
x = point[0] # 10
7. 辞書 (dict)
- 説明: 辞書は、キーと値のペアを保持するデータ型です。キーを使って値にアクセスできます。
person = {
"名前": "太郎",
"年齢": 25,
"趣味": ["読書", "旅行"]
}
- 辞書操作:
- 値の取得
age = person["年齢"] # 25
- 新しいキーと値の追加
person["職業"] = "エンジニア"
2. 演算子の利用
2.1 算術演算子
- 基本的な計算ができます。
a = 10
b = 3
print(a + b) # 足し算
print(a - b) # 引き算
print(a * b) # 掛け算
print(a / b) # 割り算
print(a % b) # 割り算の余り
2.2 比較演算子
- 値を比較するために使用します。
print(a > b) # True
print(a < b) # False
3. 条件分岐
3.1 if文
- 条件に基づいて異なる処理を実行します。
if a > b:
print("aはbより大きい")
else:
print("aはb以下")
4. ループ処理
特徴 | for 文 | while 文 |
---|---|---|
ループの条件 | シーケンスの要素数 | 条件が真である限り |
使用場面 | 繰り返しの回数が明確な場合 | 繰り返しの回数が不明な場合 |
使いやすさ | シーケンスを簡単に扱える | 条件に基づいて柔軟に処理可能 |
4.1 for文
for 変数 in シーケンス:
# 繰り返し処理
- リストや範囲を使って繰り返し処理を行います。
fruits = ["リンゴ", "バナナ", "オレンジ"]
for fruit in fruits:
print(fruit)
出力↓
リンゴ
バナナ
オレンジ
- シーケンスに基づく: 明示的に指定されたシーケンスの要素数だけ繰り返し処理を行います。
- 使いやすさ: 繰り返しの回数が事前に分かっている場合に便利です。
4.2 while文
while 条件:
# 繰り返し処理
- 条件が真(True)である限り繰り返します。
count = 0
while count < 5:
print(count)
count += 1
出力↓
0
1
2
3
4
- 条件に基づく: 条件が満たされている限り繰り返し処理を行います。条件が偽(False)になるとループを終了します。
- 柔軟性: 繰り返しの回数が事前に分からない場合や、動的に決まる場合に便利です。
5. 関数の定義
5.1 関数の作成
- コードの再利用を促進するために関数を定義します。
def greet(name):
return f"こんにちは、{name}さん!"
print(greet("花子"))
6. 簡単なプロジェクト
6.1 簡単な計算機
- ユーザーからの入力を受け取り、簡単な計算を行うプログラムを作成します。
def calculator():
num1 = float(input("1つ目の数を入力: "))
num2 = float(input("2つ目の数を入力: "))
operation = input("演算子を選択 (+, -, *, /): ")
if operation == "+":
print(num1 + num2)
elif operation == "-":
print(num1 - num2)
elif operation == "*":
print(num1 * num2)
elif operation == "/":
print(num1 / num2)
else:
print("無効な演算子です。")
calculator()
まとめ
この章では、Pythonの基本的な文法や構文を学び、簡単なプログラムを通じてプログラミングの楽しさを体験しました。これらの基礎を理解することで、より複雑なプログラムを作成するための土台が築かれます。
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