第4章「制御構造ツール」では、プログラムの流れを制御するための基本的な構造について説明します。主に以下の3つの制御構造が含まれます。
1. 条件分岐
1.1 if文
- 説明: 条件に基づいて異なる処理を実行します。
- 構文
if 条件:
# 条件が真のときの処理
1.2 if-else文
- 説明: 条件が真の場合と偽の場合で異なる処理を実行します。
- 構文
if 条件:
# 条件が真のときの処理
else:
# 条件が偽のときの処理
1.3 if-elif-else文
- 説明: 複数の条件を評価し、最初に真となる条件に対して処理を実行します。
- 構文
if 条件1:
# 条件1が真のときの処理
elif 条件2:
# 条件2が真のときの処理
else:
# どちらの条件も偽のときの処理
例
score = 85
if score >= 90:
print("優")
elif score >= 75:
print("良")
else:
print("可")
2. ループ処理
2.1 for文
- 説明: シーケンスの各要素に対して処理を繰り返します。
- 構文
for 変数 in シーケンス:
# 繰り返し処理
2.2 while文
- 説明: 条件が真である限り繰り返し処理を行います。
- 構文
while 条件:
# 繰り返し処理
例
# for文の例
for i in range(5):
print(i)
# while文の例
count = 0
while count < 5:
print(count)
count += 1
3. 繰り返し制御
3.1 break文
- 説明: ループを強制終了します。
- 使用例
for i in range(10):
if i == 5:
break # 5に達したらループを終了
print(i)
3.2 continue文
- 説明: 現在の反復をスキップし、次の反復に移ります。
- 使用例
for i in range(10):
if i % 2 == 0:
continue # 偶数はスキップ
print(i)
4. return文の役割
return
文は、Pythonの関数において非常に重要な役割を果たします。
4.1 値の返却
- 説明:
return
文は、関数が処理した結果を呼び出し元に返すために使用されます。これにより、関数の外でその結果を利用することができます。
4.2 関数の終了
- 説明:
return
文が実行されると、関数の実行が終了します。これ以降のコードは実行されません。
4.3 複数の戻り値
- 説明: Pythonでは、複数の値をタプルとして返すことができます。
使用例
1. 基本的な使用法
def add(a, b):
return a + b
result = add(3, 5)
print(result) # 出力: 8
2. 関数の終了
def check_number(num):
if num > 0:
return "正の数"
elif num < 0:
return "負の数"
return "ゼロ"
print(check_number(10)) # 出力: 正の数
print(check_number(-5)) # 出力: 負の数
print(check_number(0)) # 出力: ゼロ
3. 複数の戻り値
def calculate(a, b):
sum_result = a + b
product_result = a * b
return sum_result, product_result
total, product = calculate(4, 5)
print(total) # 出力: 9
print(product) # 出力: 20
まとめ
- 条件分岐:
if
文、if-else
文、if-elif-else
文を使用して、条件に応じた処理を行います。 - ループ処理:
for
文とwhile
文を使って、繰り返し処理を実現します。 - 繰り返し制御:
break
文やcontinue
文を使用して、ループの流れを制御します。 return
文: 関数の結果を呼び出し元に返し、関数を終了させます。複数の値を返すことも可能で、タプルとして返されます。
これらの制御構造を理解することで、より柔軟で効率的なプログラムを書くことができるようになります。
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