第5章「データ構造」では、プログラミングにおけるデータの組織化と管理方法について説明します。主に以下のデータ構造が含まれます。
1. リスト (List)
- 説明: 順序付きの要素の集合で、変更可能(ミュータブル)です。
- 特徴:
- 異なるデータ型を含むことができる。
- インデックスを使って要素にアクセスできる。
- 使用例:
fruits = ["りんご", "ばなな", "みかん"]
fruits.append("ぶどう") # 要素の追加
print(fruits[1]) # 出力: ばなな
2. タプル (Tuple)
- 説明: 順序付きの要素の集合で、変更不可能(イミュータブル)です。
- 特徴:
- 異なるデータ型を含むことができる。
- インデックスを使って要素にアクセスできる。
- 使用例:
coordinates = (10, 20)
print(coordinates[0]) # 出力: 10
3. 辞書 (Dictionary)
- 説明: キーと値のペアからなるデータ構造で、変更可能です。
- 特徴:
- キーはユニークである必要があり、値は任意のデータ型を持つことができる。
- キーを使って値にアクセスできる。
- 使用例:
student = {"名前": "太郎", "年齢": 20, "学科": "情報"}
print(student["名前"]) # 出力: 太郎
student["年齢"] = 21 # 値の更新
4. セット (Set)
- 説明: 一意な要素の集合で、順序はありません。変更可能です。
- 特徴:
- 重複する要素を持たない。
- 集合演算(和、差、積)をサポート。
- 使用例:
unique_numbers = {1, 2, 3, 3, 4}
print(unique_numbers) # 出力: {1, 2, 3, 4}
5. スタック (Stack)
- 説明: 後入れ先出し(LIFO)方式でデータを管理する構造です。
- 特徴:
push
操作で要素を追加し、pop
操作で要素を取り出す。- 使用例:
stack = []
stack.append(1) # push
stack.append(2)
print(stack.pop()) # 出力: 2
6. キュー (Queue)
- 説明: 先入れ先出し(FIFO)方式でデータを管理する構造です。
- 特徴:
enqueue
操作で要素を追加し、dequeue
操作で要素を取り出す。- 使用例:
from collections import deque
queue = deque()
queue.append(1) # enqueue
queue.append(2)
print(queue.popleft()) # 出力: 1
まとめ
- リスト: 順序付きで変更可能な要素の集合。
- タプル: 順序付きで変更不可能な要素の集合。
- 辞書: キーと値のペアからなるデータ構造。
- セット: 一意な要素の集合で重複を許さない。
- スタック: 後入れ先出し方式のデータ構造。
- キュー: 先入れ先出し方式のデータ構造。
これらのデータ構造を理解することで、効率的なデータ管理と操作が可能になります。
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