第8章「エラーと例外」では、プログラムの実行中に発生するエラーや例外の処理について説明します。エラーや例外を適切に管理することで、プログラムの安定性とユーザー体験を向上させることができます。
1. エラーの種類
1.1 構文エラー
- 説明: コードの文法が正しくない場合に発生します。プログラムが実行される前に検出されます。
- 例:
print("Hello World" # 括弧が閉じられていない1.2 実行時エラー
- 説明: プログラムが実行中に発生するエラーです。例えば、ゼロで割る、存在しないファイルを開くなどが含まれます。
- 例:
x = 1 / 0 # ゼロで割り算1.3 論理エラー
- 説明: プログラムは正常に実行されるが、期待した結果を返さないエラーです。デバッグが必要です。
- 例:
def add(a, b):
return a - b # 足し算のつもりが引き算になっている2. 例外処理
2.1 try と except
- 説明: 例外が発生する可能性のあるコードを
tryブロックに記述し、例外が発生した場合の処理をexceptブロックに記述します。 - 使用例:
try:
x = 1 / 0
except ZeroDivisionError:
print("ゼロで割ることはできません。")2.2 else と finally
- 説明:
else:tryブロック内で例外が発生しなかった場合に実行されるコードを記述します。finally: 例外の有無に関わらず、必ず実行されるコードを記述します。- 使用例:
try:
x = 1 / 1
except ZeroDivisionError:
print("ゼロで割ることはできません。")
else:
print("計算成功:", x)
finally:
print("このメッセージは必ず表示されます。")3. カスタム例外
3.1 独自の例外クラス
- 説明: 独自のエラーを定義するために、
Exceptionクラスを継承してカスタム例外を作成できます。 - 使用例:
class MyCustomError(Exception):
pass
try:
raise MyCustomError("これはカスタムエラーです。")
except MyCustomError as e:
print(e)まとめ
エラーと例外の処理は、プログラムの信頼性を向上させるために重要です。Pythonでは、try と except を使用して例外を処理し、必要に応じて else や finally を追加することができます。また、独自の例外クラスを作成することで、特定のエラー条件に対してより柔軟に対応できます。これにより、プログラムが予期しない状況に対しても適切に対処できるようになります。
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